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応用情報(AP) / ネットワーク

ネットワーク接続装置とは?リピータ・スイッチ・ルーター・VLAN・STPを基礎から理解しよう

リピータ、L2/L3スイッチ、ルーター、L4/L7スイッチなどのネットワーク接続装置と、VLAN、ブロードキャストストーム、STPなどの関連技術を初心者向けに解説します。

読了時間:約12分
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ネットワーク接続装置とは?リピータ・スイッチ・ルーター・VLAN・STPを基礎から理解しよう

はじめに

ネットワークでは、

リピータ
ブリッジ
L2スイッチ
L3スイッチ
ルーター
L4スイッチ
L7スイッチ

など、さまざまな装置が利用されています。

これらを理解するときは、

「OSIの何層で動くか」「何の情報を見て処理するか」

で整理すると分かりやすくなります。

装置 主な層 主に見る情報
リピータ 第1層 信号
ブリッジ 第2層 MACアドレス
L2スイッチ 第2層 MACアドレス
ルーター 第3層 IPアドレス
L3スイッチ 第3層 IPアドレス
L4スイッチ 第4層 IPアドレス・ポート番号など
L7スイッチ 第7層 アプリケーション層の情報

1. リピータ

**リピータ(Repeater)**は、

弱くなった信号を再生・中継して伝送距離を延ばす装置

です。

OSI基本参照モデルでは第1層:物理層で動作します。

送信
↓
信号が減衰
↓
リピータ
↓
信号を再生
↓
さらに伝送

IPアドレスやMACアドレスを見て転送先を判断するわけではありません。


2. リピータハブ

**リピータハブ(Repeater Hub)**は、複数のポートを持つリピータのような装置です。

あるポートから信号を受信すると、基本的にほかのポートにも信号を送ります。

PC-A
  ↓
 HUB
↙ ↓ ↘
B  C  D

必要な相手だけを選択して転送することはできません。

現在のLANでは、後述する**スイッチングハブ(L2スイッチ)**が一般的です。


3. ブリッジ

**ブリッジ(Bridge)**は、

MACアドレスを利用してフレームを転送する装置

です。

OSI基本参照モデルでは第2層:データリンク層で動作します。

リピータ
→ 信号を中継

ブリッジ
→ MACアドレスを見て転送

という違いがあります。


4. L2スイッチ(スイッチングハブ)

**L2スイッチ(Layer 2 Switch)**は、

MACアドレスを利用してEthernetフレームを適切なポートへ転送する装置

です。

一般にスイッチングハブと呼ばれる装置も、基本的にはL2スイッチを指します。

OSIでは第2層:データリンク層で動作します。


5. MACアドレステーブル

L2スイッチはMACアドレステーブルを持っています。

例えば、

ポート1 → PC-A
ポート2 → PC-B
ポート3 → PC-C

と接続されているとします。

スイッチは受信したフレームの送信元MACアドレスを学習し、

MAC-A → ポート1
MAC-B → ポート2
MAC-C → ポート3

という情報をMACアドレステーブルへ登録します。

そして、宛先MACアドレスを確認して適切なポートへ転送します。


6. フラッディング

MACアドレステーブルに宛先MACアドレスが登録されていない場合、L2スイッチは基本的に、

受信したポート以外へフレームを転送

します。

これを**フラッディング(Flooding)**と呼びます。

       Switch
      ↙  ↓  ↘
     A   B   C

宛先が不明
↓
受信ポート以外へ転送

通信を続けることでMACアドレスを学習し、適切なポートへ転送できるようになります。


7. VLANとは

1台のL2スイッチに多くの端末を接続すると、基本的には同じLANに所属します。

そこで利用されるのが、

VLAN(Virtual LAN)

です。

VLANとは、

1台の物理的なスイッチなどを、論理的に複数のLANへ分割する技術

です。

例えば、

      L2スイッチ
 ┌─────┴─────┐
 │           │
VLAN10      VLAN20
営業部       開発部
 │           │
PC-A PC-B   PC-C PC-D

というように分割できます。

物理的には同じスイッチでも、

VLAN10
→ 営業部ネットワーク

VLAN20
→ 開発部ネットワーク

のように、別々のLANとして扱えます。


8. VLANとブロードキャストドメイン

VLANを理解するときに重要なのが、

ブロードキャストドメイン

です。

ブロードキャストは、

同じネットワーク内の全端末を対象に送信する通信

です。

L2スイッチだけでネットワークを構成すると、ブロードキャストフレームは同じVLAN内の各ポートへ転送されます。

VLANを利用すると、

VLAN10
────────
PC-A
PC-B
PC-C

VLAN20
────────
PC-D
PC-E
PC-F

のように、ブロードキャストドメインをVLAN単位で分割できます。

つまり、

VLANを分ける = 論理的にLANを分ける = ブロードキャストドメインを分ける

と考えると分かりやすいです。


9. VLAN同士を通信させるには

VLAN10とVLAN20は別のネットワークとして扱われるため、そのままでは相互に通信できません。

そこで必要になるのが、

ルーティング

です。

VLAN10
   ↓
L3スイッチ
   ↓
VLAN20

L3スイッチやルーターを利用して異なるVLAN間を接続します。

これを、

VLAN間ルーティング

と呼びます。


10. スイッチを冗長化すると起こる問題

ネットワークでは、障害対策として複数のスイッチを接続することがあります。

例えば、

Switch-A
 |     |
 |     |
Switch-B

複数の経路を用意しておけば、一方の回線に障害が発生しても別の経路を利用できます。

しかし、L2ネットワークで経路をループさせると問題が発生します。


11. ネットワークループ

例えばスイッチ同士が、

┌──────────┐
│          ↓
Switch-A ↔ Switch-B
↑          │
└──────────┘

のようにループしているとします。

ここへブロードキャストフレームが入ると、スイッチは同じVLAN内の受信ポート以外へ転送します。

すると、

ブロードキャスト
↓
Switch-A
↓
Switch-B
↓
Switch-A
↓
Switch-B
↓
……

とフレームがネットワーク内を繰り返し流れる可能性があります。

Ethernetフレームには、IPのTTLのようにルーター通過ごとに減少して最終的に破棄される仕組みがありません。

そのため、L2ループは非常に危険です。


12. ブロードキャストストーム

L2ループによってブロードキャストフレームなどが大量に増え続けると、

ブロードキャストストーム(Broadcast Storm)

が発生することがあります。

ブロードキャスト
↓
ループ
↓
大量に複製・転送
↓
さらにループ
↓
ネットワーク帯域を圧迫

すると、

回線帯域の圧迫
スイッチの処理負荷増大
通信遅延
通信不能

などが発生し、ネットワーク全体へ大きな影響を与える可能性があります。


13. STPとは

このようなL2ループを防ぐために利用される代表的な技術が、

STP(Spanning Tree Protocol)

です。

STPは、

スイッチ間の冗長な経路から論理的なループが発生しない構成を作るプロトコル

です。

例えば物理的には、

Switch-A
 |     |
 |     |
Switch-B

と複数経路を接続していても、STPによって一部の経路を通常時のデータ転送に使わない状態にします。

イメージとしては、

Switch-A
 |     
 |      × ← 通常時は転送に使わない
 |
Switch-B

とすることで、

物理的には冗長化しながら、論理的にはループしない

ネットワークを作ります。


14. STPと障害発生時

STPの便利なところは、単純にケーブルを一本使えなくするだけではありません。

通常時、

経路A
→ 使用

経路B
→ 待機

としていたとします。

経路Aに障害が発生すると、ネットワーク構成を再計算して、

経路A
→ 障害

経路B
→ 使用

というように、待機していた経路を利用できるようにします。

つまり、

冗長化したい
↓
でもL2ループは困る
↓
STP
↓
通常時はループを防止
+
障害時には別経路を利用

という関係です。


15. ルーター

**ルーター(Router)**は、

異なるネットワーク間でIPパケットを転送する装置

です。

OSIでは第3層:ネットワーク層で動作します。

ルーターは宛先IPアドレスとルーティングテーブルを利用して、

次にどこへパケットを送るか

を判断します。

PC
↓
ルーター
↓
別ネットワーク
↓
ルーター
↓
サーバー

というように、ネットワークを越えた通信を実現します。


16. L2スイッチとルーターの違い

ここは重要です。

L2スイッチ ルーター
OSI 第2層 第3層
主に見るもの MACアドレス IPアドレス
使用する情報 MACアドレステーブル ルーティングテーブル
主な役割 フレーム転送 ネットワーク間のパケット転送

簡単にすると、

L2スイッチ
→ MACアドレス

ルーター
→ IPアドレス

です。


17. L3スイッチ

**L3スイッチ(Layer 3 Switch)**は、

L2スイッチング機能とルーティング機能を持つスイッチ

です。

L2スイッチ
+
ルーティング
↓
L3スイッチ

企業ネットワークなどでは、

VLAN10
↓
L3スイッチ
↓
VLAN20

というVLAN間ルーティングにも利用されます。


18. ルーターとL3スイッチ

どちらもIPアドレスを利用してルーティングできます。

一般的には、

L3スイッチ
→ LAN内部のルーティング

ルーター
→ LANとWANなどの接続

という使い分けがよく見られます。

ただし現在の機器は多機能化しているため、機能だけで完全に区別できるわけではありません。


19. L4スイッチ

**L4スイッチ(Layer 4 Switch)**は、

IPアドレスやTCP/UDPのポート番号などを利用して通信を振り分ける装置

です。

例えば、

利用者
  ↓
L4スイッチ
 ↙   ↓   ↘
Web1 Web2 Web3

のように、複数のサーバーへ通信を振り分けることができます。


20. ロードバランサ

複数のサーバーへ通信を振り分ける装置や機能を、

ロードバランサ(Load Balancer)

と呼びます。

アクセス
   ↓
ロードバランサ
 ↙    ↓    ↘
Web1 Web2 Web3

負荷を複数のサーバーへ分散することで、特定のサーバーへの負荷集中を防ぎます。

また、障害が発生したサーバーへの振り分けを停止する構成もできます。


21. L7スイッチ

**L7スイッチ(Layer 7 Switch)**は、

アプリケーション層の情報を利用して通信を振り分ける装置

です。

例えばHTTP通信なら、

/images/
→ 画像サーバー

/api/
→ APIサーバー

というように、HTTPのURLなどの情報を利用して振り分けることができます。


22. ゲートウェイ

**ゲートウェイ(Gateway)**は、

異なるネットワークやプロトコルなどの間を接続・変換する機能や装置

を指します。

また、PCのネットワーク設定では、

デフォルトゲートウェイ

という言葉が登場します。

これは、

自分と異なるネットワークへ通信するときに、まずパケットを送る相手

です。

一般的にはルーターやL3スイッチのIPアドレスなどを設定します。


23. ネットワーク装置を階層で整理する

第7層
→ L7スイッチ

第4層
→ L4スイッチ

第3層
→ ルーター
→ L3スイッチ

第2層
→ ブリッジ
→ L2スイッチ

第1層
→ リピータ
→ リピータハブ

そして、何を見て処理するのかも重要です。

リピータ
→ 信号

L2スイッチ
→ MACアドレス

ルーター・L3スイッチ
→ IPアドレス

L4スイッチ
→ ポート番号など

L7スイッチ
→ アプリケーション層の情報

24. L2ネットワークの技術をまとめる

今回追加した内容をまとめると、

L2スイッチ
↓
MACアドレスを学習
↓
フレームを転送

さらに、

VLAN
↓
1台のスイッチなどを
論理的に複数のLANへ分割
↓
ブロードキャストドメインを分割

そしてスイッチを冗長化すると、

複数経路
↓
L2ループの危険
↓
ブロードキャストストーム

という問題があります。

そこで、

STP
↓
冗長経路の一部を
通常時の転送に使わない
↓
論理的なループを防止

します。

つまり、

L2スイッチ → VLAN → ブロードキャストドメイン → L2ループ → ブロードキャストストーム → STP

という流れで覚えると、それぞれがバラバラの用語ではなくなります。


25. まとめ

この記事で覚えること

  • リピータは物理層で信号を中継する
  • L2スイッチはMACアドレスを利用してフレームを転送する
  • L2スイッチはMACアドレステーブルを持つ
  • スイッチングハブは一般的にL2スイッチを指す
  • VLANはLANを論理的に分割する技術
  • VLANによってブロードキャストドメインを分割できる
  • 異なるVLAN間の通信にはルーティングが必要
  • L2ネットワークのループはブロードキャストストームなどを引き起こす
  • STPはL2ネットワークのループを防止する
  • STPによって物理的な冗長経路を持ちながら論理的なループを防げる
  • ルーターはIPアドレスを利用してネットワーク間を転送する
  • L3スイッチはVLAN間ルーティングにも利用される
  • L4スイッチはポート番号などを利用できる
  • L7スイッチはアプリケーション層の情報を利用できる
  • ロードバランサは複数のサーバーへ負荷を分散する

🍯 はちみつメモ

L2スイッチ周辺は一連の流れで覚えるのがおすすめ。「MACアドレスで転送するのがL2スイッチ → VLANでLANを論理分割 → スイッチを冗長化するとL2ループの危険 → ブロードキャストストームが起こる → STPでループを防ぐ」。ここまでつながれば、VLANとSTPが何のためにあるのかまで理解できる。