Nutanix Prismとは?Prism ElementとPrism Centralの違いを理解しよう【NCA 7.5対策】
はじめに
これまでの記事では、Nutanixの基本的な仕組みについて学んできました。
Nutanixでは複数のNodeによってClusterを構成し、AHV上でVMやCVMが動作します。
さらにCVMが連携することで、Nutanixの分散ストレージなどの機能が提供されています。
では、管理者はこれらをどのように管理するのでしょうか?
NutanixのNodeへ1台ずつログインして管理するのでしょうか?
そこで登場するのが、
Prism
です。
Prismを利用することで、Nutanix環境のさまざまな情報をGUIから確認・管理できます。
今回はNCAでも重要となるPrismについて学んでいきましょう。
Prismとは?
Prismは、Nutanix環境を管理・監視するための管理インターフェースです。
Webブラウザからアクセスでき、Nutanix環境に対してさまざまな管理操作を行えます。
たとえば、
- Clusterの確認
- Nodeの確認
- VMの管理
- Storageの管理
- Networkの管理
- Alertの確認
- Eventの確認
- Performanceの監視
などです。
つまり、
Nutanix環境を管理するためのコントロールパネル
と考えると分かりやすいでしょう。
なぜPrismが必要なの?
ここまでNutanixの仕組みを勉強すると、
Cluster
├─ Node
│ ├─ AHV
│ ├─ CVM
│ ├─ VM
│ └─ Storage
│
├─ Node
│ ├─ AHV
│ ├─ CVM
│ └─ VM
│
└─ Node
のように、さまざまなコンポーネントが存在することが分かります。
これらをそれぞれ個別に管理するのは大変です。
そこでPrismを利用します。
Administrator
│
▼
Prism
│
┌────────┼────────┐
▼ ▼ ▼
VM Storage Network
│
▼
Cluster
管理者はPrismを通してNutanix環境を管理できます。
Nutanixが目指している、
インフラ管理のシンプル化
を実現するうえで重要な存在です。
Prismには大きく2つある
Prismを学ぶときに重要なのが、
- Prism Element
- Prism Central
の違いです。
名前が似ていますが、管理する範囲が異なります。
大まかには、
Prism Element
↓
1つのClusterを管理
Prism Central
↓
複数のClusterをまとめて管理
と考えると分かりやすいでしょう。
Prism Elementとは?
**Prism Element(PE)**は、個々のNutanix Clusterを管理するためのインターフェースです。
たとえば、Nutanix Cluster Aがある場合、
Administrator
│
▼
Prism Element
│
▼
┌─────────────────┐
│ Cluster A │
│ │
│ Node 1 │
│ Node 2 │
│ Node 3 │
└─────────────────┘
というイメージです。
Prism Elementでは、そのClusterに関する、
- Cluster
- Hosts
- VM
- Storage
- Network
- Hardware
- Health
- Alerts
などを確認・管理できます。
つまり、
1つのClusterを直接管理するPrism
がPrism Elementです。
Prism Centralとは?
複数のNutanix Clusterを運用する環境では、それぞれのPrism Elementへアクセスして管理すると手間がかかります。
そこで利用されるのが、
Prism Central(PC)
です。
Prism Centralを利用すると、複数のNutanix Clusterを中央からまとめて管理できます。
Administrator
│
▼
Prism Central
│
┌────────────┼────────────┐
▼ ▼ ▼
Cluster A Cluster B Cluster C
たとえば東京・大阪・名古屋にそれぞれNutanix Clusterが存在している場合でも、Prism Centralを利用することで、それらを中央から統合的に管理できます。
Prism ElementとPrism Centralの違い
ここはNCA対策として整理しておきましょう。
| 項目 | Prism Element | Prism Central |
|---|---|---|
| 略称 | PE | PC |
| 主な管理対象 | 個々のCluster | 複数Cluster |
| 管理範囲 | ローカル | 集中管理 |
| VM管理 | ○ | ○ |
| Cluster監視 | ○ | ○ |
| 複数Clusterの統合管理 | × | ○ |
最も重要なのは、
PE = 1つのCluster
PC = 複数Clusterをまとめて管理
という違いです。
Prism Centralはどこで動いている?
Prism Centralについてもう少し詳しく見てみましょう。
Prism Centralは、単なるWebサイトではありません。
Nutanix環境上にデプロイして利用する管理用の仮想アプライアンスです。
イメージとしては、
Nutanix Cluster
┌──────────────────────┐
│ │
│ User VM │
│ User VM │
│ │
│ Prism Central VM │
│ │
├──────────────────────┤
│ AHV │
└──────────────────────┘
のようになります。
つまりPrism Central自体も、Nutanix環境上で動作するVMとして展開できます。
PrismでVMを管理する
Prismの重要な用途の一つがVM管理です。
管理者はPrismから、
- VMの作成
- VMの起動
- VMの停止
- VMの再起動
- VMの削除
- CPUの設定
- Memoryの設定
- Diskの設定
- NICの設定
などを行えます。
前回学習したAHVとの関係は、
Administrator
│
▼
Prism
│
▼
AHV
│
▼
VM
と考えると分かりやすいでしょう。
AHVはVMを動かす仕組み
であり、
PrismはVMを管理するために利用するインターフェース
です。
PrismでStorageを確認する
PrismではNutanixのStorageについても確認できます。
たとえば、
- Storage Container
- Storage Pool
- 容量
- 使用量
- 空き容量
などの情報を確認できます。
Prism
│
▼
Storage
│
├─ Capacity
├─ Usage
├─ Storage Pool
└─ Container
Storage PoolやContainerについては、ストレージの記事で詳しく解説します。
ここでは、
PrismからNutanixのストレージ状態を確認・管理できる
ことを覚えておきましょう。
PrismでNetworkを管理する
PrismではVMが利用するNetworkについても管理できます。
たとえば、
- Networkの作成
- VMへのNetwork接続
- VLAN関連の設定
などです。
VMを作成しても、Networkへ接続しなければ他のシステムと通信できません。
そのため、
VM
│
vNIC
│
Virtual Network
│
Physical Network
というネットワーク構成についてもPrismから管理していきます。
NutanixのNetworkについても、後の記事で詳しく扱います。
PrismでHealthを確認する
システムを運用するうえでは、
正常に動いているか
を確認することも重要です。
PrismではClusterやNodeなどのHealth情報を確認できます。
たとえば、
Cluster
│
├─ Node 1 → Healthy
├─ Node 2 → Healthy
└─ Node 3 → 問題あり
といった状態を確認します。
問題が発生している場合には、詳細情報を確認して原因を調査します。
NCAでは、このようなPlatform Health and Monitoringも重要な学習範囲です。
AlertとEvent
Prismでは、
Alert
と
Event
も確認できます。
Alert
Alertは、
管理者が対応する必要がある可能性のある問題や状態
を知らせるものです。
たとえば、
- リソース不足
- ハードウェアの問題
- Clusterの問題
などが発生した場合にAlertとして通知されます。
Event
Eventは、
Nutanix環境で発生した出来事の記録
です。
たとえば、
- VMを作成した
- VMを起動した
- 設定を変更した
といった操作やシステム上の出来事を確認できます。
大まかには、
Alert
↓
問題・注意すべき状態
Event
↓
環境で発生した出来事
と整理しておくと分かりやすいでしょう。
Performance Monitoring
Prismでは、Nutanix環境のパフォーマンスも確認できます。
代表的には、
- CPU使用率
- Memory使用量
- Storage I/O
- IOPS
- Latency
などです。
たとえば、
VM A
CPU 30%
Memory 70%
IOPS 500
Latency 2ms
といった情報を確認し、
「どこで負荷が高くなっているのか?」
を調査できます。
単にVMを作るだけではなく、
VMやClusterの状態を監視する
こともPrismの重要な役割です。
PrismとCVMの関係
Prism Elementは、Nutanix Clusterを構成するCVMと密接に関係しています。
ここで重要なのは、
PrismとCVMを同じものだと思わないこと
です。
それぞれの役割は、
| 技術 | 役割 |
|---|---|
| CVM | Nutanixのストレージサービスなどを提供するController VM |
| Prism | Nutanix環境を管理するインターフェース |
となります。
つまり、
Administrator
│
▼
Prism
│
▼
Nutanix Services
│
▼
CVM
というイメージです。
ここまで登場した技術を整理
Nutanixを勉強し始めると、
- AOS
- AHV
- CVM
- DSF
- Prism
など似たような単語が大量に登場します。
一度整理してみましょう。
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| AOS | Nutanixの中核ソフトウェア |
| AHV | Nutanixのハイパーバイザー |
| CVM | 各NodeでNutanixサービスを提供するController VM |
| DSF | Nutanixの分散ストレージ |
| Prism Element | 個々のClusterを管理 |
| Prism Central | 複数Clusterを集中管理 |
全体をイメージすると、
Administrator
│
▼
Prism Central
│
┌─────────────┴─────────────┐
▼ ▼
Prism Element Prism Element
│ │
▼ ▼
Cluster A Cluster B
│
┌────┼────┐
▼ ▼ ▼
Node Node Node
│
AHV
│
VM / CVM
となります。
ここまで理解できれば、Nutanixの基本構成がかなり見えてきます。
はちみつ屋さんで例えると?
今回も、はちみつ屋さんで考えてみましょう。
Nutanix Clusterを、
1つのはちみつ屋さん
だとします。
店舗の中には、
- 商品
- 倉庫
- 店員
- 設備
などがあります。
この店舗全体を管理するための、
店舗管理室
がPrism Elementです。
はちみつ屋 名古屋店
│
▼
店舗管理室
(Prism Element)
管理室では、
「在庫は大丈夫?」
「設備は正常?」
「お店は混んでいる?」
といった情報を確認できます。
では、
- 名古屋店
- 東京店
- 大阪店
の3店舗になったらどうでしょうか?
それぞれの店舗管理室を毎回確認するのは大変です。
そこで本社に、
全店舗をまとめて管理する本部
を作ります。
これがPrism Centralです。
本社
(Prism Central)
│
┌───────┼───────┐
▼ ▼ ▼
東京店 名古屋店 大阪店
PE PE PE
つまり、
Prism Element = 店舗管理室
Prism Central = 全店舗を管理する本社
と考えると分かりやすいでしょう。
NCA対策として覚えておきたいポイント
今回特に重要なのは次の内容です。
| 用語 | NCA対策ポイント |
|---|---|
| Prism | Nutanixの管理インターフェース |
| Prism Element | 個々のClusterを管理 |
| Prism Central | 複数Clusterを集中管理 |
| VM | Prismから基本操作を行える |
| Health | Clusterなどの正常性を確認 |
| Alert | 問題や注意すべき状態を確認 |
| Event | 環境内で発生した出来事を確認 |
| Performance | CPU・Memory・IOPS・Latencyなどを監視 |
特に、
PE
↓
1 Cluster
PC
↓
Multiple Clusters
という違いは確実に理解しておきましょう。
ここまでのNutanix学習
ここまでの記事をつなげると、
① Nutanix / HCI
↓
② AOS / CVM / DSF
↓
③ AHV
↓
④ Prism
となりました。
Nutanixの、
「何なのか」
から始まり、
「内部ではどう動くのか」
「VMをどう動かすのか」
「どう管理するのか」
までつながったことになります。
まとめ
今回はNutanix環境を管理するPrismについて学びました。
Prismには、
Prism Element
と
Prism Central
があります。
Prism Elementは、
個々のNutanix Clusterを管理するためのインターフェース
です。
一方、Prism Centralは、
複数のNutanix Clusterを中央から統合管理するための仕組み
です。
Prismからは、
- VM
- Storage
- Network
- Health
- Alert
- Event
- Performance
など、Nutanix環境に関するさまざまな情報を確認・管理できます。
まずは、
「PEは1つのCluster、PCは複数Cluster」
という違いをしっかり覚えておきましょう。
次回は、Prismから実際に管理する対象でもあるNutanixのVMと基本操作について、さらに詳しく学んでいきます。