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応用情報(AP) / 基礎理論

確率と統計とは?確率分布・期待値・分散・標準偏差を基礎から理解しよう

確率と統計について、順列・組合せ、確率、条件付き確率、確率変数、確率分布、期待値、平均、分散、標準偏差、正規分布、相関まで初心者向けに解説します。

読了時間:約15分
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確率と統計とは?確率分布・期待値・分散・標準偏差を基礎から理解しよう

はじめに

サイコロを振ったときに「6」が出る確率はどれくらいでしょうか。

また、テストの点数が、

60, 65, 70, 75, 80

だったとき、全体としてどのような特徴があるでしょうか。

こうした、

どのくらいの可能性で起こるのか

を考えるのが確率です。

一方、

集めたデータにどのような特徴があるのか

を考えるのが統計です。

この記事では、

  • 場合の数
  • 順列・組合せ
  • 確率
  • 条件付き確率
  • 独立事象
  • 確率変数
  • 確率分布
  • 期待値
  • 平均値・中央値・最頻値
  • 分散・標準偏差
  • 正規分布
  • 相関

について順番に学んでいきます。


1. 確率とは

**確率(Probability)**とは、

ある出来事がどのくらいの可能性で起こるか

を数値で表したものです。

例えば、6面のサイコロを1回振る場合を考えます。

出る目は、

1, 2, 3, 4, 5, 6

の6通りです。

この中で「6が出る」のは1通りなので、

1 / 6

となります。

すべての結果が同じ程度に起こると考えられる場合、

確率 = 条件を満たす場合の数 ÷ 全体の場合の数

として求められます。

確率は、

0 ≦ P ≦ 1

の範囲で表されます。

🍯 はちみつメモ

確率 = 条件を満たす場合の数 ÷ 全体の場合の数


2. 事象とは

確率を考えるとき、ある条件を満たす出来事を**事象(Event)**と呼びます。

例えばサイコロで、

A = 偶数が出る

とすると、

A = {2, 4, 6}

です。

また、

B = 4以上が出る

なら、

B = {4, 5, 6}

です。

確率では、集合の考え方がよく使われます。


3. 場合の数

確率を求めるためには、

全部で何通りあるのか

を数えることが重要です。

例えば、

シャツ:白・黒・青
ズボン:黒・茶

から1つずつ選ぶなら、

3 × 2 = 6通り

です。

複数の選択を順番に行う場合、それぞれの場合の数を掛けることで全体の場合の数を求められることがあります。


4. 順列

**順列(Permutation)**とは、

順番を考えて並べる

場合に使います。

n個からr個を選んで並べる場合、

nPr = n! / (n-r)!

です。

例えば5人から、

1位
2位
3位

を決めるなら、

5P3
= 5 × 4 × 3
= 60

通りです。


5. 組合せ

**組合せ(Combination)**とは、

順番を考えずに選ぶ

場合に使います。

n個からr個を選ぶ場合、

nCr = n! / {r!(n-r)!}

です。

例えば5人から3人を選ぶなら、

5C3 = 10

通りです。

順列と組合せは、

順番を考える
↓
順列

順番を考えない
↓
組合せ

と区別しましょう。


6. 和事象と積事象

事象Aまたは事象Bが起こることを和事象と呼びます。

AまたはB
↓
A ∪ B

です。

AとBのどちらかが起こる確率は、

P(A∪B)
=
P(A) + P(B) - P(A∩B)

で求められます。

一方、

AかつB

を積事象と呼び、

A ∩ B

と表します。


7. 排反事象

2つの事象が同時には起こらない場合、それらを排反事象と呼びます。

例えばサイコロを1回振る場合、

A = 1が出る
B = 2が出る

なら、1と2が同時に出ることはありません。

したがって、

P(A∩B) = 0

です。

排反なら、

P(A∪B)
=
P(A) + P(B)

とできます。


8. 余事象

ある事象Aが起こらない事象を、Aの余事象と呼びます。

例えば、

A = サイコロで6が出る

なら、その余事象は、

6以外が出る

です。

必ず、

P(A) + P(Aの余事象) = 1

なので、

P(Aの余事象)
=
1 - P(A)

となります。


9. 条件付き確率

ある条件のもとで、別の事象が起こる確率を**条件付き確率(Conditional Probability)**と呼びます。

例えば、

サイコロで偶数が出たことが分かっているとき、その数字が4以上である確率

を考えます。

偶数は、

{2, 4, 6}

です。

その中で4以上なのは、

{4, 6}

なので、

2 / 3

です。

条件付き確率は、

         P(A∩B)
P(A|B) = ───────
          P(B)

で求められます。


10. 独立事象

一方の結果がもう一方の結果に影響しない場合、それらを独立事象と呼びます。

例えば、サイコロの1回目の結果は、2回目のサイコロの出目の確率には影響しません。

AとBが独立なら、

P(A∩B)
=
P(A) × P(B)

となります。


11. 排反と独立の違い

排反と独立は混同しやすい用語です。

排反
=
同時に起こらない

独立
=
一方が起きても
もう一方の確率に影響しない

という違いがあります。

用語 意味
排反 同時に起こらない
独立 お互いの発生確率に影響しない

🍯 はちみつメモ

排反 = 一緒には起きない

独立 = お互いに影響しない


12. 確率変数とは

ここから確率分布について考えていきます。

その前に知っておきたいのが**確率変数(Random Variable)**です。

確率変数とは、

起こった結果に応じて数値が決まる変数

です。

例えばサイコロを1回振ったとします。

出た目をXとすると、

X = 1
X = 2
X = 3
X = 4
X = 5
X = 6

のいずれかになります。

どの値になるかは、サイコロを振るまで分かりません。

このような変数を確率変数と呼びます。


13. 確率分布とは

**確率分布(Probability Distribution)**とは、

確率変数がどの値を、どのくらいの確率で取るのかを表したもの

です。

例えば、普通の6面サイコロを1回振ったとします。

確率変数Xを「出た目」とすると、

X 確率
1 1/6
2 1/6
3 1/6
4 1/6
5 1/6
6 1/6

となります。

これがサイコロの出目の確率分布です。

つまり、

どんな値を取る?
+
それぞれ何%で起きる?
↓
確率分布

ということです。

🍯 はちみつメモ

確率分布 = 「どの値が、どのくらいの確率で出るか」の一覧


14. 確率分布の重要な性質

確率分布では、それぞれの確率をすべて足すと、

1

になります。

サイコロなら、

1/6 + 1/6 + 1/6 + 1/6 + 1/6 + 1/6
= 1

です。

なぜなら、サイコロを振れば、

1~6のどれか

は必ず出るからです。

したがって、確率分布では基本的に、

それぞれの確率 ≧ 0

確率の合計 = 1

となります。


15. 離散型確率分布

確率変数が、

0
1
2
3
…

のように、飛び飛びの値を取る場合を考えます。

このような確率変数を離散型確率変数といい、その確率分布を離散型確率分布と呼びます。

例えば、

  • サイコロの出目
  • コインを5回投げたときの表の回数
  • 1時間に届くメールの件数

などです。

サイコロなら、

1, 2, 3, 4, 5, 6

という決まった値のどれかになります。


16. 連続型確率分布

一方、

身長
体重
時間
温度

などは、

170cm
170.1cm
170.12cm
170.123cm
…

のように、ある範囲で連続的な値を取ると考えられます。

このような確率変数を連続型確率変数といい、その確率分布を連続型確率分布と呼びます。

整理すると、

種類 特徴 例
離散型 飛び飛びの値を取る サイコロ、人数、回数
連続型 連続した値を取る 身長、時間、温度

となります。


17. 二項分布

代表的な離散型確率分布の一つが**二項分布(Binomial Distribution)**です。

例えばコインを何回か投げて、

表が何回出るか

を考える場合です。

1回ごとに、

表
裏

という2つの結果があり、同じ条件で独立な試行を繰り返します。

例えば、表が出る確率がpの試行をn回行い、表がk回出る確率は、

P(X=k)
=
nCk × p^k × (1-p)^(n-k)

で求められます。


18. 二項分布を具体的に考える

コインを3回投げて、ちょうど2回表が出る確率を考えます。

表が出る確率を、

p = 1/2

とすると、

3C2 × (1/2)^2 × (1/2)^1

です。

計算すると、

3 × 1/8
=
3/8

となります。

つまり、

37.5%

です。

二項分布では、

成功・失敗のような2種類の結果を持つ試行を繰り返したとき、成功回数がどのように分布するか

を考えます。


19. 正規分布

代表的な連続型確率分布が**正規分布(Normal Distribution)**です。

正規分布は、

             /\
           /    \
         /        \
───────             ───────

のような、左右対称の釣鐘型の形をしています。

中心付近の値が多く、中心から離れるほど少なくなります。

例えば、大量のデータを扱うときに、測定値などが正規分布に近い形を示すことがあります。


20. 確率分布と期待値

確率分布が分かると、

平均的にどのくらいの値になりそうか

を計算できます。

これが**期待値(Expected Value)**です。

例えば、

結果 確率
100円 0.5
50円 0.3
0円 0.2

という確率分布なら、

100 × 0.5
+
50 × 0.3
+
0 × 0.2

= 65

です。

したがって、

期待値 = 65円

となります。

つまり期待値は、

確率分布
↓
それぞれの「値 × 確率」
↓
全部足す
↓
期待値

という関係になっています。


21. 期待値とは

期待値とは、

同じ試行を何度も繰り返したときに、平均的にどのくらいの値になると期待できるか

を表したものです。

基本的には、

期待値
=
「値 × その値になる確率」の合計

で求めます。

確率変数Xの期待値は、

E(X)

と表します。

🍯 はちみつメモ

期待値 = 確率分布の平均的な位置


22. 統計とは

ここからは**統計(Statistics)**を見ていきます。

統計とは、

集めたデータを整理・分析し、その特徴や傾向を読み取るための考え方

です。

例えば、

60, 65, 70, 75, 80

というテスト結果から、

  • 中心はどのくらいか
  • どのくらいばらついているか
  • データ同士に関係があるか

などを調べます。


23. 平均値

**平均値(Mean)**は、

データの合計 ÷ データの個数

で求めます。

例えば、

60, 65, 70, 75, 80

なら、

(60 + 65 + 70 + 75 + 80) ÷ 5
= 70

です。


24. 中央値

**中央値(Median)**とは、

データを小さい順に並べたとき、中央に位置する値

です。

例えば、

10, 20, 30, 40, 50

なら、

中央値 = 30

です。

データ数が偶数の場合は、中央にある2つの値の平均を取ります。


25. 最頻値

**最頻値(Mode)**とは、

最も多く出現する値

です。

例えば、

10, 20, 20, 20, 30, 40

なら、

最頻値 = 20

です。

平均値・中央値・最頻値は、データの中心的な位置を表す代表値です。


26. 分散

平均値だけでは、データのばらつきは分かりません。

例えば、

48, 49, 50, 51, 52

と、

10, 30, 50, 70, 90

は、どちらも平均50です。

しかし、後者の方が大きくばらついています。

このばらつきを表す代表的な指標が**分散(Variance)**です。

分散は、

① 平均値を求める
② 各データと平均値との差を求める
③ その差を2乗する
④ 2乗した値の平均を求める

という流れで求めます。

つまり、

分散
=
偏差の2乗の平均

です。


27. 標準偏差

**標準偏差(Standard Deviation)**は、

標準偏差 = √分散

で求めます。

分散と標準偏差は、どちらもデータのばらつきを表します。

標準偏差が小さい
↓
平均付近に集まっている

標準偏差が大きい
↓
広くばらついている

と考えられます。


28. 確率分布にも平均とばらつきがある

ここで確率分布の話と統計の話がつながります。

確率分布についても、

中心はどこ?
↓
期待値

どのくらい広がっている?
↓
分散・標準偏差

と考えることができます。

つまり、

確率分布の形を「中心」と「ばらつき」で捉える

ことができます。

例えば同じ期待値を持つ2つの確率分布でも、分散が違えば結果のばらつき方は異なります。


29. 正規分布と平均・標準偏差

正規分布では、

  • 平均
  • 標準偏差

が非常に重要です。

平均をμ、標準偏差をσとすると、おおよそ、

平均 ± 1σ
→ 約68%

平均 ± 2σ
→ 約95%

平均 ± 3σ
→ 約99.7%

のデータが含まれます。

例えば、

平均 = 100
標準偏差 = 10

なら、

90 ~ 110

の範囲に約68%、

80 ~ 120

の範囲に約95%のデータが含まれます。


30. 相関

2つのデータの間に関係があるかを見る考え方が**相関(Correlation)**です。

例えば、

勉強時間 ↑
テスト点数 ↑

という傾向があれば正の相関です。

反対に、

一方 ↑
もう一方 ↓

という傾向があれば負の相関です。


31. 相関係数

相関の強さを数値で表したものを相関係数と呼びます。

一般的に、

-1 ≦ r ≦ 1

です。

rが1に近い
↓
強い正の相関

rが-1に近い
↓
強い負の相関

rが0に近い
↓
線形な相関が弱い

と考えます。

ただし、

相関があるからといって、因果関係があるとは限らない

ことにも注意が必要です。


32. 確率分布を中心に全体を整理しよう

今回の内容は、次の流れで考えると分かりやすくなります。

場合の数
↓
確率
↓
確率変数
↓
確率分布
↓
期待値
↓
分散・標準偏差

確率変数について、

どの値を取る?
どのくらいの確率?

をまとめたものが確率分布です。

そして確率分布から、

平均的な値
↓
期待値
ばらつき
↓
分散・標準偏差

を考えられます。

さらに確率分布には、

離散型
↓
二項分布など

連続型
↓
正規分布など

があります。

🍯 はちみつメモ

確率分布を中心に考えると、期待値・分散・正規分布が一本につながります。


33. 試験で押さえたいポイント

順列と組合せ

順番あり → 順列 nPr
順番なし → 組合せ nCr

条件付き確率

         P(A∩B)
P(A|B) = ───────
          P(B)

独立事象

AとBが独立なら、

P(A∩B)
=
P(A) × P(B)

確率分布

確率変数が
「どの値を、どの確率で取るか」
を表したもの

確率の合計は、

1

になります。


離散型と連続型

飛び飛びの値
↓
離散型

連続した値
↓
連続型

です。


二項分布

成功・失敗のような2種類の結果を持つ独立な試行を繰り返したときの、成功回数に関する代表的な確率分布です。


期待値

期待値
=
「値 × 確率」の合計

分散と標準偏差

分散
=
偏差の2乗の平均

標準偏差
=
√分散

どちらもばらつきを表します。


正規分布

代表的な連続型確率分布です。

±1σ → 約68%
±2σ → 約95%
±3σ → 約99.7%

を押さえておきましょう。


まとめ

今回は、確率と統計について学びました。

この記事で覚えること

  • 確率は出来事が起こる可能性を表す
  • 順番を考えるのが順列、考えないのが組合せ
  • 条件付き確率は条件が与えられたときの確率
  • 独立事象では一方の結果がもう一方の確率に影響しない
  • 確率変数は結果に応じて値が決まる変数
  • 確率分布は確率変数がどの値をどの確率で取るかを表す
  • 確率分布には離散型と連続型がある
  • 二項分布は代表的な離散型確率分布
  • 正規分布は代表的な連続型確率分布
  • 期待値は確率分布の平均的な位置を表す
  • 分散・標準偏差はばらつきを表す
  • 平均値・中央値・最頻値はデータの代表値
  • 相関係数は2つのデータの線形な関係の強さを表す
  • 相関があっても因果関係があるとは限らない

🍯 はちみつメモ

確率変数 = 結果を数字で表す

確率分布 = どの数字がどのくらいの確率で出るか

期待値 = その分布の平均的な位置

分散・標準偏差 = その分布のばらつき

この4つをセットで理解すると、確率と統計がかなりつながって見えてきます。